2016/11/12

太宰治「斜陽」を読んだ。

 

平々凡々な家庭に生まれ、なんだかんだと京都大学なぞに入学し、

いまや五回生NNT(無い内定)というくそみたいな自分。

 

華族に生まれ、戦中戦後の時代を苦悩しながら、くそを演じながら

生き、自ら命を絶った直治という人物。

 

時代が変わっても、境遇が違っても、それぞれの人間に生の苦悩がある。

 

 

「自由に」「個性を大切に」「自分らしく」生きる。

本気でそれが出来る人間は、天才かただの馬鹿かのどちらかだろう。

共通して言えるのは、他者の感情が理解できない、共感できない、ということ。

 

そんな人間に憧れながら、今日も苦悩して生きる。

苦悩したからと言って、何かがいい方向に動くわけでもないのに。

 

 

自分の性質が悪いのは、苦悩しながらも行動に移せないことだ。

他の人も苦悩しながらも行動をとって、人間生活を送っている。

それは、大学で単位を取るとか、就活をきちんと乗り切るとか、

あるいは、サークルや部活、他の学外活動(学生団体や留学etc.)とか。

そうしたことを人並みに出来る人間を尊敬し、また、軽蔑する。

それは、自身にも他者にも嘘をついているような気がするから。

 

最近、ぼーっとする時間があると考えるのは、「殺す」ということ。

自分以外の全ての存在が自分より価値があって、価値がないと感じる。

ああ、病んでるな。そんな風にも思う。

病んでるのは自分なのか、世界なのか。

どちらにしても地獄だ。